遠藤和也の“ひふみ”blog

食に関する「ひふみ」を解決していくblogです。そもそもひふみとは「非・不・未」のことで、非効率や非合理的、不安や不便、未完や未熟などのことです。 プロの料理人も一般の方も、料理や食に興味のある人なら為になる内容となっています。

【やり方】居酒屋、バル、ビストロ 超繁盛店のグランドメニューを変える方法

   
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 目次
 
緊急事態宣言で時短営業や休業をしているお店も多いのではないでしょうか?
そんな時こそ出来ることって色々あると思います。
その一つが
メニューを見直すこと
ではないでしょうか?
 
もちろん今日の売上を取りに行くことも大切ですが、物理的には時間が有効に使えるこのタイミングを有効に活かしていきましょう!
 
そして、これからの『風の時代』においてのキーワードになってくるのが本質でもあります。
本質的に美味しいことが必須条件になってくるということです。
 
それでは実際にメニューを見直して、変更していく手順を解説していきます。
お店や会社によってはそんなことやらなくても。と思われる方もいると思いますが、これからお伝えする内容は坪売50万円を超えてくるようなお店が実際にやっていたことです。
 
参考になれば幸いです。
 

なぜメニューを変えるのか?

  1. お客様が既存のメニューに飽きてしまわないように

  2. トレンドを取り入れる

  3. 既存メニューの付加価値の見直し

  4. 理論原価の調整

  5. 新鮮な気持ちで調理に取り組む

  6. スタッフのスキルアップ

などが挙げられます。
ここで大切なことは決してお店本位にならないことです。
特に5と6を最優先に考えてしまったらおかしなことになってしまいます。
常に『お客様』の存在を感じながら取り組みましょう。
 

グランドメニューを変えるタイミング

  1.  季節に応じて

  2. お客様が既存のメニューに飽きてしまったとき

  3. トレンドを取り入れたいとき

  4. 既存メニューの付加価値の見直しが必要なとき

  5. 理論原価の調整をしたいとき

基本的には季節に応じてメニューを変えていきましょう。

お店によっては、春夏、秋冬の年に2回、春、夏、秋、冬の年に4回というところ。

多いところだと毎月やっているところもあります。

スタッフのスキルや業態やコンセプトを考えて回数を決めていきましょう。

多ければ良いということでもありませんので。

ただし、2回や4回などの場合は季節のメニューや月替わり、日替わりといった別メニューを用意しておくと季節感や旬を感じてもらいやすくなります。
 

メニュー考案

  1. 自分達の店舗のコンセプトにあう行ったことのあるお店の食べたことあるものでやってみたいメニューを挙げる
  2. 今の店舗のメニューで絶対に継続させたいものを挙げる
  3. 食べログInstagram、ネット、人から聞く、などを駆使してメニューの全体の構成をつくる
 以上を踏まえてまずはお店の席数×1.2倍ぐらいのアイテム数を挙げて、
精査したのち席数ぐらいのアイテム数に絞るのが一般的です。
 

偏らないようにする

他業態に学ぶ

例えば客単価4000円の焼鳥屋さんであれば
4000円前後の焼鳥屋さんにベンチマークに行くと似たようなメニューが並んでいたり、「うちの方が美味しいじゃん」みたいな勉強する上では邪魔な感情や感想が入ってきます。
  • イタリアンで学ぶ
  • 中華で学ぶ
  • ベトナム料理に学ぶ
  • 定食屋さんに学ぶ
という気持ちでいるとすんなりヒントを吸収できますし、差別化もしやすいです。
 

高単価業態に学ぶ

ミシュラン星付きのお店など高級店にはたくさんのヒントがあります。
ただし、「美味しい」という感想だけで終わらせないようにしましょう。
  • 食材のクオリティが料理にどう影響しているのか
  • 食材の仕立てはどうしているのか
  • どのように付加価値を付けているのか
  • 内装やサービス
高級店は総合的に圧倒的なクオリティを感じやすいと思います。
漠然と感じていると「うちじゃ真似できないなぁ」で終わってしまします。
ここで大事なのは、
ピンポイントでヒントを探すこと
です。
  • 食材のレベルは真似できないけど調理法は参考にできる
  • 接客を絡めて卓上で仕上げる料理を作る
  • 色合いや盛り方なら参考にできる

といった具合です。

もちろん予算的にも簡単にはいけるお店ではないかもしれないので、
誰かに連れいってもらったりするのも有りです。
また、有名店であればあるほどInstagramやインターネット上に情報は載っているものです。その情報を丁寧に、且つガツガツ拾っていくだけでも
食材の組み合わせや味を決める方向性のヒントになります。
インターネットを駆使しましょう。
 

低単価業態に学ぶ

いわゆる大衆酒場やチェーン店などかなと。
バタバタなのにオペレーションはなぜこれはブレないのか?
なぜこんなに早く出てくるのか?
化学調味料を感じるのであれば心地いいのか分かりにくく上手くやっているのか?
名物料理は味で訴求しているのか?価格で訴求しているのか?ボリュームで訴求しているのか?
など、いわゆるセンベロ居酒屋にも学ぶことはゴロゴロ転がっているのです。
 
以上3点を踏まえて、自分のお店がモデルにしたいと思うお店に当てはめながら、
自分たちらしさを出していく
ことが差別化するヒントになります。
また、メニュー替えはコンセプトやゴール地点を見失いがち。
常にコンセプトやゴール地点を思い出しながら価値を出せる商品を考えることです。
ただ、商品ひとつひとつよりもメニュー構成やバランスがまずは大事です。
  1. 構成とバランスが整った後で
  2. また個々のメニューにフォーカスして
  3. いい意味でバランスを崩しながら圧倒的な価値を作る
という手順で進めていきましょう。 
 

試作、ブラッシュアップ

メニューの内容がある程度固まったら試作をどんどんしていきます。

ここでのポイントは

メニューの可否を判断する責任者(例えば総料理長とか社長とかマネージャーとか)に逐一報告することを怠らないことです。

自分自身が責任者の場合は意固地になってワンマンでやるのではなく、

後輩でも新人さんでも率直な意見を聞くことです。

でも一番のオススメはお客様に聞いちゃうことです。

常連様が来たら試作品をサービスで出して意見を聞いてください。

そして、感想やアドバイスを聞いてください。

メリットはたくさんあって

  • お客様がお店を育てているという気持ちになってメニュー化した後にまたすぐ来てくれるかも
  • お客様の意見が聞ける(作り手は頑張ってもある程度こっち目線が入る)
  • 幅広い意見が聞ける
  • 素直な心を育める

 

オペレーションを考える

試作、ブラッシュアップの後はオペレーション作りです。

ただし、メニューの内容を考える時からオペレーションはある程度考えておいてください。

じゃないと最後にやっぱり不採用になったり、

勢いでメニューにしてしまうと大変な目にあいます。

kzbz.hatenablog.com

オペレーション作りに関して簡単にまとめた記事は過去に書いたので

そちらを読んでいただけると嬉しいです。

 

 

おすすめレシピ本も一応紹介しておきますね。

 

飲ませる皿 ――バー、バル、ブラッスリー、パブの繁盛メニュー223

飲ませる皿 ――バー、バル、ブラッスリー、パブの繁盛メニュー223

  • 作者:柴田書店編
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
「こつ」の科学―調理の疑問に答える

「こつ」の科学―調理の疑問に答える

  • 作者:杉田 浩一
  • 発売日: 2006/11/01
  • メディア: 単行本
 
基礎から学ぶフランス地方料理

基礎から学ぶフランス地方料理

 

 

ではまた!